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平成23年度会員総会


2011年9月5日(月)  於:ホテルニューオータニ「芙蓉の間」
春光懇話会会員会社152社、並びに地域懇話会より合わせて320名出席


会長挨拶

春光会会長 春光懇話会会長
日立製作所 金井相談役
 
 平成23年度の会員総会にあたり、一言ご挨拶を申し上げます。
 まず始めに、今回の大震災、その後の原子力発電所の事故、最近の台風、大雨につきましては、皆様並びにご関係の方々の中で被災された方、今なおご苦労をされている方もあり、心からお見舞いを申し上げます。
 本年は、日本水産さんが、田村汽船漁業部として1911年 に創業されて以来、100周年の節目を迎えられました。心よりお慶び申し上げる次第であります。ただ、今回の震災で女川工場を始め2工場、関連会社2社が直接被災されましたし、5月に予定されていた記念式典の開催は見送られました。しかし、被災した女川工場等の製品については、7月中旬には西日本を中心とした工場への生産移管を実施され、喪失した売上・利益のリカバリーを目指されると聞いております。100年の歴史は、難局を幾度も乗り越えてこられた歴史であります。日本水産さんが、今回もこの苦難をばねにして、次の100年に向けた新たな一歩を力強く踏み出されることを確信し願っております。
 例年、この総会ではその時の政治や経済問題をお話しするのが常でありますが、先週、菅内閣から野田内閣に変わり、大臣も新しく変わりました。今はその実績を見る時期にありますので、今日は政治、経済の問題から離れて、最近のひとつの話題であります原子力のお話をしようと思います。
 私は日本の原子力の開発の最初から関わってきた数少ない人間として、私たちがどのように考えて、原子力を開発してきたか、今後をどのように考えているかを、この機会に申し上げたいと思います。
 皆様方はそんな古い話など興味が無いと思われるでしょう。私の親友に有名な哲学者である木田君という人がいますが、彼は「歴史も哲学も普段の仕事や生活には何の関係もないし、役に立たない。しかし、本当に難しい問題に遭遇したときに、歴史や哲学が役に立つ」と言っています。そういうことで、少し古い話ですが聴いてください。
 私の原子力との関わりは、1945年、終戦の年の原子爆弾でありまして、私は広島から僅か15kmしか離れていない江田島の海軍兵学校で、あの火の玉を見、爆風も受けました。それから2週間して広島に行き、あの惨状を直接見ることになり、その災害のひどさに愕然としたものでありました。
 原子核の分裂は1939年に発見された新しい現象でありまして、これが軍事用に開発されたあと、1953年に米国のアイゼンハウアー大統領の「Atoms for Piece」のジュネーブでの演説があり、軍事技術の民間への移転が始まり、1955年から色々な資料が国会図書館、昔の赤坂離宮、今の迎賓館に入ってきました。
 日本の歴史上最大の有事、災害は太平洋戦争であり、今から70年前に始まり、数年間続きました。この戦争開始の理由は色々ありますが、直接的な契機は、米国の日本に対する石油の禁輸、即ちエネルギーの供給を止めると云うものでした。この為、戦争中は「油の一滴は血の一滴」とまで言われました。終戦後は、今日ご出席の皆様方の殆どは経験されたこと無い、厳しい食糧危機があり、エネルギー不足が続きました。日本には外国から食料や石油を輸入するお金も無かった時代であります。
 
 こういう経験を踏まえて、原子力を始めた私どもは、原子力で日本のエネルギー供給の脆弱性、即ち弱さを無くす、即ちエネルギー不足による有事をなくそうと考え、それが原子力開発の目標となりました。役人も、学者も、電力会社も、メーカーも、それぞれの立場を離れて、この目標をめがけて一緒になって勉強したものでした。
 1973年のオイルショックの時には、日本のエネルギーは殆どが中東からの石油でありましたから、日本中が大変な騒ぎで、経済は大打撃を受け、ものすごいインフレとなり、私の給料も毎年30%ずつ上がったものでしたが・・・わが国のエネルギー供給の脆弱性を改めて痛感し、有事の備えへの認識を更に強くすることとなりました。
 その頃ようやく原子力も軌道に乗り始め、それまでは米国や英国からの輸入でしたが、オイルショックの翌年、1974年に国産の第一号原子力発電所を完成させることができました。我々は、これで日本のエネルギー供給の問題は抜本的に改善出来たと歓声を挙げたものであります。その後、さらにエネルギーの多様化は進められ、今や原子力、LNG、石炭が主流となり、輸入国も多様化しております。
 その結果、日本の電力の自給率は、水力や自然エネルギーでは9%で、先進国最低ですが、原子力を加えれば35%ぐらいまでになり、ようやく他の先進国に近づきつつあります。しかし、同じく先進国最低である食料の自給率の40%にもまだ及びません。その水準はまだまだであり、我々には更なる邁進が求められているという状況にあったわけであります。
 そうした中、その原子力発電所が、歴史上最大の天災とはいえ、事故を起こしてしまいました。私ども日立としても、直後に支援体制を整え、現時点で数百人規模の技術者・作業者を現地に派遣し、他に数百人が工場などで支援を続けています。この事故には、反省すべき点が沢山あり、電力会社の問題の他に、政治や法律の不備、政府の組織の欠陥も大きな問題であります。
 今回の事故で、一部の先進国では、原子力に対する国民の不安が一気に再燃し、脱原発が叫ばれるようになってしまいました。しかしながら、経済発展の勢いに乗る新興国は、その高成長を支える安定的エネルギー源として、原子力への方針を変えていません。たとえ日本が原子力を止めたとしても、世界の多くの国は原子力を推進するでしょう。新興国などで、或いは近い国で大きな事故が起こった場合を考えて下さい。
 そのような状況を現実的に捉えれば、わが国は、今回、大変な事故を起こしてしまいましたが、だから原子力から逃げて、これを止めるのではなく、今回の事故の経験を踏まえ、これを乗り越え、むしろ従来以上に原子力の安全性で世界をリードする役割を担って行かなければならないと思いますし、世界に対する責任もあり、その力も十分にあります。
乾杯 春光会会員 春光懇話会副会長
日産自動車 高橋前副会長
中締め 春光会会員 春光懇話会副会長
ニチレイ 大戸相談役
 
 こういう中で、脱原発で原子力をすべて自然エネルギーに置き換えようという主張もありますが、その安定性やコストの問題からいって、極めて難しい問題です。エネルギー供給の安定性や中期的な問題に触れずにこのように主張するのは、戯言としか言えません。
 原子力政策が国策民営で進めれらてきた以上、経済産業省、電力会社やメーカーはさらに安全性の高い原子力発電所の開発設計や運転員のさらなる訓練などを早急に提案し、協力して実施すべきであります。
 次は有事の問題であります。今は有事でありますが、次の有事に備えておく必要があります。日本の歴史上最大の有事であった戦争以来、わが国は、平時において極めて安全で安定している社会を作り上げることに成功してきました。個人の安全についても、色々な社会システムについても、世界のどの国より抜群に高い信頼性を誇ることができます。
 しかし、自然災害としては、今回の東日本大震災に引き続いて、首都直下地震や東海・東南海・南海地震の発生が心配されています。歴史を振り返れば、これらの地震は東日本の大地震に前後して連発する形で、過去4回も起こっているという事実があり、また、自然災害が発生する危険度や経済への影響、都市の脆弱性を評価する災害リスク指数は、東京はダントツに高く、2位のサンフランシスコの数倍以上危ないと言われています。それだけリスクの高いところに、政治や経済の中枢機能が集中しているわけで、政府も経済界も、現実のものとしての具体的対策を早めなければならないはずであります。
 ご承知のように、今は既に経済的、財政的、外交的にも有事にあると思います。私どもに関係の深い製造業にとっても有事であります。独歩高の超円高、世界でも有数の高い法人税、エネルギー不足の継続、経済連携の遅れなど、日本で製造業を続けるのは本当に限界に来たという声があがっています。海外生産が進めば、雇用の問題が悪化します。企業は海外に逃避出来ても国民は出来ません。米国では失業率の増加はいつも大きな政治問題とされていますが、今のポピュリズム政権は、声高に雇用問題を叫ぶものの、社会主義的な発想しかなく、雇用拡大の主体は企業であり、大前提となるのは経済成長であるという本質を理解していないように思われます。
 今回の未曾有の有事、非常事態に遭遇し、政府が的確に対応できたとは思えません。この国家的な危機にも関わらず、平時においても辟易するような権力ゲームに明け暮れていました。しかし、こうした傾向は、必ずしも今の民主党政権に限ったことではなく、有事を考えず、平時しか想定しない戦後民主主義の、そして我々が構成している社会の、大問題とも言えるものだと思います。
 
 そんな状況の中で、今の政治自体も平時ではなく有事以外の何ものでもありません。新総理にはリーダーシップの発揮を強く求めるところですが、かつての有事であった戦争の後、自分自身で惨禍の中から立ち上がった時と同じように、我々が自分自身で深く考え、この有事を乗り越えていかなければならないと思います。
 次に、春光懇話会についてでありますが、現状と最近の活動について報告致します。
 まず、昨年総会以後、日産フォークリフト、NIPPO、日立コンシューマエレクトロニクス、日立オートモティブシステムズ、ニッセイコム、習和産業、日立プラント建設サービスの7社が新規に入会されました。一方で、5社が退会され、現在、会員会社数は152社。このほか地域春光懇話会は、国内で53地域、海外では21地域と変わっておりません。
 続いて、本年1月の賀詞交換会以降の春光会の異動ですが、日立電線 橋社長、日立ハイテクノロジーズ 久田社長の2氏が入会されました。春光グループ発展のためにぜひご尽力をお願い申し上げる次第です。
 春光懇話会は、親睦と情報共有と営業交流の活動を進めており、これらの活動を通じて会員各社へ貢献したいと考えております。
 その一つとして、春光懇話会全体行事である「全体セミナー」を本年も7月に開催しました。約160名の会員の方々のご出席を得て「シンボルスポーツと企業」をテーマに株式会社電通の方による基調講演や、会員3社からの取り組みを報告頂きました。今後も情報交換の場の一つとして発展に努めて参りたいと思います。
 営業部会は、現在、113社が加入。主に各社の部課長クラスを中心にビジネス交流を図っています。また平成18年からは若手会が発足、女性も多く参加され継続的に情報交換・懇親を行っています。営業部会の活動はキャンペーンなどの取り組みを通じ広範囲にまたがる多くの企業の事業内容を知ること・多くの仲間を作ること・交流を深めることにより、春光懇話会の皆さんが日頃求めている様々な情報を得る役割を果たしていると思います。各社の事業に互いに貢献するためにも営業部会活動に大いに参加していただくことを希望します。
 本部として、若手層を対象とする取り組みにファミリークラブがあります。ご承知の通り春光グループの結婚相談所でございます。
幹部懇談会
 
 京王プラザホテルに事務所を置いて、グループの若者の為に一生懸命、地道に取り組んでくれています。結婚はプライベートな問題ではありますが、この取り組みに対する関心は高く、照会や引き合いが増えているとのことでございます。ぜひ、会員会社トップの皆様も、一度京王プラザホテルを訪ねて頂き、社員の皆様にご推奨いただきたいと願っております。
 本日の総会には、12地域の春光懇話会の代表の方にも御出席を頂いております。遠路にも拘わらず大変ご苦労様です。
 最後になりましたが、本日ご参集の皆様のご健勝と会員各社のご繁栄をお祈り致しましてご挨拶とさせて頂きます。本日は有難うございました。


春光懇話会会員総会次第
幹部懇談会  地域春光懇話会会長・本部会長、副会長による懇談会
総   会
1.挨拶春光会会長 春光懇話会会長 日立製作所 金井相談役
2.紹介春光会新会員日立電線 橋社長
日立ハイテクノロジーズ 久田社長
春光懇話会新会員会社ニッセイコム 武本社長
習和産業 服部社長
日立プラント建設サービス 村山社長
地域春光懇話会会長秋田春光懇話会秋田日産自動車 三浦会長
福島春光懇話会日産サティオ福島 金子会長
茨城春光懇話会茨城日産自動車 加藤会長
群馬春光懇話会藤田エンジニアリング 藤田社長
埼玉春光懇話会UDトラックス 阿部専務
神奈川春光懇話会日産プリンス神奈川販売 志摩会長
石川春光懇話会横山商会 横山社長
豊橋春光懇話会東愛知日産自動車 青木社長
京滋春光懇話会日立製作所京都支店 岡支店長
山口県春光懇話会日立製作所笠戸事業所 正井事業所長
熊本春光懇話会日立製作所熊本支店 奥支店長
大分春光懇話会パンパシフィック・カッパー佐賀関製錬所 藤井取締役所長
懇 親 会
3.乾杯春光会会員 春光懇話会副会長 日産自動車 高橋前副会長
4.中締め春光会会員 春光懇話会副会長 ニチレイ 大戸相談役


 
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